2011年の音楽

唐突に今年聴いた音楽を思い返してみたいと思います。ベスト10を抽出してみましょうか。順位は付けずに思い出した順に書き出します。

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1.NHK現代の音楽アーカイブシリーズ
戦後から今もつづくNHKのラジオ番組「現代の音楽」から貴重な録音をCDでリリースするシリーズが今年の夏くらいから始まってます。とりあえず後で買っておけばよかったと後悔したくないので買っておいてます。もちろん聴いてます。


2.砂原良徳「liminal」
久々のライブをリキッドルームに観に行った際にやっていた新曲のブレイクがドラムロールとかじゃなくて低周波だったのでびっくりしました。前作では抗うように当時の音楽を拒絶していましたが、今作は嫌味無く時代に寄り添ったような音になっていたように思います。前作の延長のようにも聴こえますが、なんかフィールドレコーディングしたような音が入ってたり、ボイスサンプリングの使い方もおかしくなって来てるし何か違うなと思わせる箇所がいくつかありました。あとビットレートを落とすエフェクトの使い方がやはり他の人より圧倒的に絶妙なので、そこは見習いたいところです。


3.Battles「Gloss Drop
メンバーが一人抜けたようですが、鮮明なテーマと独特なグルーヴが健在で、それでいて柔軟さが増したような気がしました。様々なミュージシャンを取り入れることで普遍性と相反する前衛性が同居しているような感覚がなんとも心地よいです。


4.The Strokes「Angles」
鮮烈なデビューでしたが、僕はそれほど彼らの音楽に関心していませんでした。セカンドアルバムも特に成長した所も見受けられずそれからほとんど聴いていませんでしたが、久々に聴いた今作はとても面白かったです。様々な音楽に影響を受けていますし、それを素直に出しているので、時々悪ふざけにも聴こえるくらいのデフォルメ感もあってそういう所に僕は好感を持ってしまうのです。まさにロック音楽の全時代を往くポップセンスの高いアルバムであると。。


5.GOMA & Jungle Rhythm Section「I Believed the Future.」
ディジュリドゥとパーカッション二人というミニマルな編成でありながらまるでビッグバンドのようなマキシマムなグルーブを放出してしまっているこのバンド。GOMAさんは近年事故に遭われて大変な苦労をなさったそうですが、何かを持ちえてこの世界に還ってきたことは否めない奇跡であると思われます。


6.Co La「Daydream Repeater」
トロピカルだしサンプリング主体だし、あまり聴き入ってはいませんが、ポップでコンセプトも一環しているので反射的に購入してしまった一作です。カセットテープリリースが主体の"NNA TAPES"からのリリースですが、こういうカセットのレーベルは往々にしてデータ配信販売もしているので、そこが柔軟で良いなと思います。


7.Plastikman「Arkives」
リッチーホゥティンのプラスティックマン名義でのリリースを網羅したボックスセット。90年代もっとも影響を受けたエレクトロニックミュージックはこのアーティストのセカンドアルバム「Musik」でしたので、作品全てを聴いていなかったという罪悪感も相俟って予約しましたが、結局リリースが半年〜1年くらい遅れましたね。。あとボックスの中に買った人だけのボーナストラックを落とせるコードが封入してあると聞いて箱の中やブックレットを何度も調べたんですが未だにそれを発見できてません。。


8.ACTIVE CHILD「You Are All I See」
テン年代的な音楽の中で今年一番琴線に触れたのがこのバンドの声とハープが織りなすハーモニーでした。


9.OVAL「OvalDNA」
オヴァルの今までの作品素材がデータとなって皆さんの手元に届きます。正直どうしたらいいのかわかりません。。まあどうもしなくていいんでしょう。こういう表現方法がこの後出てくるかというのがこれからの音楽世界にとっての課題になるということでしょう。


10.The Stepkids「The Stepkids」
70年代の楽曲を丸々サンプリングしてしまってるのではないかと思うくらいの音の作り方が古いのでびっくりしてしまいました。ここは今の技術が露出してしまっているっていうところが見つからないくらい徹底してます。それで質の高いソウルミューックなので尚更わかりません。という意味でこれは新しいです。ちなみにメンバーはみんなプロデューサー格の人らしいです。


追記・すいません、これを忘れていました。
11.LUNA SEALUNA SEA
彼らがインディーズ時代にリリースしたファーストアルバムのセルフカバーが今年出ておりました。これがとっても良かったです。特に1曲目の「FATE」という1分強の曲がかなりアレンジとミックスが素晴らしくて今年何回も再生した曲の一つです。いわゆるバランスの問題なのですが、これが見事にかみ合った作品だと思います。去年でいうとMaroon5のアルバムがそうでした。